風の色、海の色、バルセロナ色

バルセロナからの気ままな風。
再びの春
久し振りに我が家のダル2匹を連れて森に出かけた。無論、毎日の散歩は欠かしたことがないが、実は我が家のオスが昨年末に椎間板ヘルニアを発症、絶対安静、要手術と言われ、大変な騒ぎだったのだ。その辺りの事をあれこれ書くと煩雑なので省くが、結局は手術をせずに鍼灸とマッサージ治療での温存、回復を図ることにしたのだが、長距離の散歩には出せず、2匹を別々に出すという、まことに飼い主にとっても忍耐のいる事態となった。



そんなこんなで2か月、少しずつ散歩の時間を延ばし、薬の量を減らしながら治療を続けた。そしてどうにか森に連れて行く事が出来るようになった。切除しない限り根治は出来ないと言われたが、成功率の低さを考えれば、こうして温存方法ながらも森に行ける方が、犬にとってもどれだけ嬉しいか知れやしない、と勝手に私は納得している。寝たきりになってしまったら、犬だってきっと寂しい。

今年は暖冬だったせいで、花が早かろうと思ったら、このところの北部ヨーロッパの寒気の影響で冷え込み、少し間が空いた。それでも春は再び巡ってきており、アーモンドの花が満開となった。そんな穏やかな早春の朝を、以前に比べれば随分のんびりした散歩になったが、森を歩くのは心地好い。ゆっくりで良いのだ。そしておそらくは、ゆっくりが良いのだろう。



冬に蒔かれた麦が青んできている。3年振りに、やがて辺り一面の麦畑になるだろう。希望がなくては春は来ないのかも知れぬ。
| るな | ダルメシアン | 15:02 | comments(0) | trackbacks(0) | -
命を繋ぐ歓び
今年もスペインのダルクラブ大会が開催された。ビセンス会長の交友の輪から、毎回ダルの本家イギリスから、著名なブリーダーでもある審査員が、ボランティアで審査を引き受けて自費で来て下さる。ありがたいことだ。会長宅に滞在、ミニ・バカンスを兼ねてという事で、皆さん喜んで参加してくださるのだ。イギリス人というのは素晴らしいホスピタリティを脈々と受け継いでいる人たちである。今回のStef Kazana氏はダル・クラブとしては最も古い歴史を持つ「North of England Dalmatian Club」の前会長を長らく務めていた方で、おっとりと温かな人柄。私たちの質問にも真摯に対応してくださった。



クラブ大会は全て手作り、ボランティアで成り立っている。昨年から私が再度担当しているが、仕事の役割分担が何とかうまくいき、当日はみんなが会場設置なども進んでやってくれるので、私自身はその前の準備さえしてしまえば、結構気楽に参加できるようになってきた。こういう事はやはり回を重ねる、何とか頑張って続ける事が大事なのだと思う。日本のクラブがなし崩しで消滅するのは、このボランティアとホスピタリティの認識が甘いからではないだろうか。


今年で6回目を迎えたクラブ大会で、昨年生まれた我が家のダルがベスト・イン・ショウ(BIS)を獲得し、今年のクラブ・チャンピオンになった。夫の病気や初産のリミットなどを考え迷い抜いた末、友人のベジェス会長とマヌエルの支持、応援があってこそ出来た離れ業的出産計画であったが、無事に命を繋いだという思いがしみじみと湧いてくる。



思えば来年はクラブも10周年を迎える。我が家の血統の初代ベルはもう13歳になろうとしている。ようやく3代目であるからブリーダーとしては数少ない出産であるが、代々チャンピオン犬を輩出できた事は、私の静かな誇りである。美しく力強い犬が駈ける姿を見るのは、本当に心震える素晴らしい歓びだ。

クラブ大会はクラブ創立に関わった私たちの悲願とも言うべきもので、第1回クラブ大会の際にはベジェスの友人でもある偉大なイギリス人ブリーダーJoan Atkinson女史(映画「101匹ダルメシアン」の主人公ポンゴのブリーダー)が審査員を務めてくださり、我が家のマツとランがキングとクィーン、そしてマツがBISに選ばれるという快挙に酔うたものであった。第2回は後に我が家の仔犬たちの父親となるリスリングがBISを獲得、今回からはその子供たちが活躍する時代になった。ゆっくりとではあるが着実に実りの季節は続いていくのだと信じたい。


いろんな事があって、自分が中年になったという実感がそろりそろりと湧いてきた。これは「もう若くはない」というのとは違う感覚である。肉体的には当然衰えるし、若い姦しい騒ぎにはついていきたくもないが、そういうのとは違う「中年の愉しみ方」みたいなものが、何となく腑に落ちてきた気がする。男も女も本当に面白いのは50過ぎてからだという、ちょいとほくそ笑みたくなる様な感じなのだ。「まだ行ける、もうひと花咲かせたる」というおぼろな感覚がホワホワとあって、それはそれで愉しいものだ。いや、別に色気づいてる訳ではありませんが。もう気忙しく暮らしたくない、好きなものにだけ関わってのらくらいこうやないの、という心持は、やっぱり関西弁やないと味がないんやね。お国言葉というものは、やはり肌身にぴたりと沿う気がしますわなぁ。


| るな | ダルメシアン | 06:08 | comments(0) | trackbacks(0) | -
孫?

日本の友人から初孫誕生の知らせが届いた。所謂できちゃった婚だから若いカップルではあるのだが、しかし、孫? 友人は私と同い年だし、子供たちもほぼ同じような年頃だから、いや〜、そんなお年頃か? と、我が身のことながら実感は湧かない。




我が家は仔犬が生まれ、私は乳母仕事に追われている。やっぱり曾孫になるんだろうか。生命が誕生し、日々その命の芽が光の方向へと伸びていくのを見ることは、根源的な喜びである。そう言えば、我が息子が産まれた時、健在だった私の祖父母は初曾孫誕生を非常に喜んで、初節句の餅を搗いてくれたっけ、と懐かしい。孫や曾孫が産まれてありがたいと感じるのは、自分の血が続いていくことへの原始的安堵感をも含むのかもしれない。



今回の出産はメスが6歳になっての、タイムリミットを背負ってのものだった。昨年は諸事情があって断念、これが初産としては最後のチャンスだった。犬でも人間でも高齢になっての初産はリスクが伴う。8匹のうち無事に生まれたのは6匹で、それなりにリスクがあったという事なのかもしれないが、今のところ残った仔犬たちは順調に育っているようで、ありがたい事だ。

ダルメシアンの出産は高リスクを伴う。まず目の色が違わないか、スポットの出はどうか、歯の噛み合わせは正しいか、そして耳は聞こえるか。この聴覚問題が一番の難題だ。当然ながらまともなブリーダーであれば、こういった欠点のある犬を掛け合わせには使用していないし、そう言ったブリーダーの家系なら少なくとも5〜10代前に遡ってチェックが可能だ。それだけの熟考をして掛け合わせても、難聴の仔犬が絶対に出ないとは言えない。それはダルメシアンのブリーダーにとって避けがたい問題である。これらをクリアーして、身体のバランスとスポットの配置バランスが良い仔犬が、初めてショウ用に選ばれる。しかし仔犬のうちは出自で勝てるが、その後はいかに身体を作り上げるか次第であり、そこからショウに勝っていける仔と言うのは「宝くじに当たるより難しい」 今回ありがたい事にショウ用にと数名の方が希望されているが、果たしてそこまでの仔がいるかどうか、ハラハラである。

ショウに勝ち、名が出ていくことは、当然ながら嬉しいが、何はさておき素晴らしい家庭に恵まれ幸せな犬生を送ってもらう事、それが一番の願いだ。善き飼い主に恵まれた犬ほど、幸せなものはない。そういう命の輪が、犬友の輪が繋がれていくのも喜びの一つである。時に挫けそうになる自分の弱さを黙って奮い立たせてくれるのは、こういう小さな命の煌めきなのかも知れない。

仔犬の様子はここで。


| るな | ダルメシアン | 20:54 | comments(0) | trackbacks(0) | -
犬の還暦
犬の年齢はおおよそでしか判らない。小型犬と大型犬でも違うし、彼らの時間の流れ方は我々人間の速度とは異なっている訳で、肉体の衰え的に言えばすぐに我々を追い越して歳をとる。ある表によれば、ダルメシアンくらいの中−大型犬の場合、11歳が人間でいう60歳、つまり還暦である。我が家のベルは来年、はや還暦なのだった。あれま。

先日、犬の散歩仲間から付き合いの始まったマノロの飼い犬、トビー(ベルギー牧羊犬)の話になった。トビーは14歳で白内障なので目がほとんど見えなくなっているが、夕方の散歩役だった息子がノルウェーに留学し、夫人の闘病中は預けられていた。やっと我が家へ帰ってきて、今はご機嫌よく暮らしているそうだ。息子も1年間の留学が終了し帰国。男3人の暮らしが始まろうとしている。

マックス


うちのベルが歳をとったのだから、当然犬友もみんな歳老いた訳で、久しぶりに散歩の途中であったモンセはこの春に定年退職し、13歳のオナとのんびり老後生活に入ったし、ちっとも見かけなくなった黒ラブのマックスも既に14歳をとおに超えた筈。もしかしたらもう遠く旅立って行ったのかも知れない… そう言えば白ラブのドゥルサやウェルシュ・テリアっぽいスティンキーも14歳。彼らにも最近合わなくなった…。

ドゥルサ

みんな歳老いて、家族の環境が変化したりもあって、いつまでも同じ仲間が同じ散歩コースを続けられるとは限らない。我が家は若者2匹がいるから今でも運動量が変わらないが、老犬だけだったら散歩の量も質も変わってくるだろう。

オナ

大型犬を飼う者の悩みは、自分が歳老いたら育て切れなくなるのではないかという事で、イギリスのダル友のマイクとジャッキー夫妻も、リタイア後はもうブリーディングは辞めてしまった。チャンピオン犬を輩出した血統だったが、今は継ぐ人はいない。そのマイクたちのオスダル、イアーゴの訃報が届いた。やはり13歳、癌だったそうだ。

イアーゴ

マイクたちの家に行くといつも大歓迎してくれ、そのあまりの人懐っこさが仇となって、はしゃぎ過ぎるせいでショウには向いていなかったが、優しく美しいオスだった。さようなら、イアーゴ。

人も逝き、犬も逝く。歳を重ねるごとに別れは心に哀しみの影を長く投げかける、まるで黄昏時の如く。みんな、もうすぐ初盆を迎える。

流すべき流燈われの胸照らす(寺山修司)
| るな | ダルメシアン | 00:53 | comments(0) | trackbacks(0) | -
晩秋の山歩き
今週はダル関係の動きがいろいろあって、久しぶりにダル友たちとちょっとお遊び。日曜にクラブのバルセロナ支部主催(という事はワタクシが)で、モンセラット山ダル遠足会、2時間半ばかり歩いて、その後はみんなで麓の民家風レストランで食事会をしようという企画。今年の5月で事務局長を退いてから初めて主催のクラブ活動(?)という訳。

いざ出発

もとはと言えば10月のあのオーガナイズのひどいクラブ大会の後、「また集まりたいから、何か企画して」という要望が個人的に寄せられ、まぁ、それなら山歩き会が妥当かという事で、今回の企画となったのだけど、モンセラット山麓の村に暮らすダル友アスンプタ(マツの娘ダマちゃんのオーナー)がいろいろと動いてくれて、コースの選択からレストランの手配まで全てお任せ。私はバルセロナ近郊の会員及び非会員に、クラブサイトとメールで案内を送り(遅刻厳禁15分しか待たぬ、と書いておきましたわよ、モチロン)、フォローだけという結構な仕儀と相成りました。

オフ会と日本では言うらしいのだけど、クラブの公的な制約のない、まさしくスイッチ・オフの状態の企画というのは、いかに愉しもうかだけを考えていればいいので気楽なもの。総会の案件を纏める必要もなければ、連絡にあたふた走り回る必要もない。それでも単に連絡事項だけでも、直前に犬の具合が急変で緊急手術…、妊娠中だけどハードなコースじゃない? 等々、いろいろとあるものですねぇ。

モンセラット山とダル

最後の最後に「寝坊したぁ〜」なんて言う子もいたり。人様々、ダル様々。それでも15分の遅刻許容内で集合、総勢17人と14匹の山歩き会は、みぞれ交じりの空模様の下、いざ出発。気温4度。さむ〜い。それでもダルたちは元気いっぱい。

修道院図書館の廃墟

最後は恒例のお食事会。この民家風レストランの傍には、1808年のナポレオン軍によって焼き打ちにされた、修道院の図書館の廃墟が残っていて、ブルック、コルバト両村は最も激しい抵抗をした処として、今もその勇名を留めている。今回ガイド役をしてくれたペレとアスンプタ夫妻は郷土史家でもあって、歴史的にも建築的にも愉しめる山歩きだった。しかし、廃墟の美しさと言うのは石の場合朽ちていくのではなく、何かこう、決然と立ち尽くしている潔さが感じられて興味深い。小学生の頃に魅了された、廃墟が森へ還って行くイギリスの水彩画の世界を思い起こさせる。

食事会

やっと数年前に自家発電機で最低限の電力確保をし始めただけというこのレストラン、天井からは今も使っているロウソクの燭台が下がっていて、薪のくべられた暖炉ストーブの温かさといい、心が和む。延々と3時間、食べて飲んでお喋りして、最後に腹ごなしの為にもうひと歩き。気が置けない仲間たちとの他愛ないお喋りは飼い主だけでなく、ダルたちにとっても楽しい思い出になったかな。

あ、勿論ワタクシ、キノコも収穫致しましたわョ。


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アルバムでみんなに会えます! 日本語キャプション付き!
が、見分けは難しい…。

モンセラット山ハイキング フォト・アルバム

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| るな | ダルメシアン | 14:26 | comments(0) | trackbacks(0) | -
されど犬…
ベル

私は日本語版のダルのHPを開設しているけど、実はスペイン語版もあって、そのスペイン語版の中にはダル特有の病気と、犬全般の病気についての項目がある。

日本はいろいろなサイトで専門家が犬の病気についての詳しい説明をされていて、症状からその治療法、予防法など、どういう病気なのか解らない飼い主の不安を和らげる、大きな役割を果たしてくれており、常々ありがたいなぁと、そのボランティア的精神に感謝している。

残念ながらスペインにはそう言うしっかりとしたサイトがなく、犬の病気はパルボビールスや狂犬病など、大まかな病気の案内しかないのが現状。それで、クラブの会報に少しずつダル特有の病気、犬全般の病気の説明を書いていたのだが、ある程度まとまったところでサイトにも記載してきた。直接的な反応が解らないので、この8月にカウンターを設置したのだが、今日チェックをしたら、0から始めて4ヶ月あまりで1800を突破した。

それなりに誰かの役には立っている、という事なんだろうか。通訳や翻訳の中でも医療関係は最も難しいと言われる中、頼りない技術で右往左往しながらも、少しずつ作業を進め友人に添削を頼み、時には時間の無駄遣いをしているだけだなどという批判を感じつつ、でも、やっぱり自分の愛するダルが、犬が苦しんでいる病気についての知識を得たいと切に思う人たちにとって、何かしらの灯火になれていたらいいな、と思い続けている。

そんな私のHPのファンだと言う人2人から、今日は電話があった。ひとりは迷い犬のダルを慈しみ育てていたのに、事故で失ってしまったと言うバレンシアの若者から。ダルなしではもう生きられない、仔犬が欲しいんだが、という。そう、一度ダルを飼ってその魔力にハマってしまうと、実に先の長い道を歩く事になるんですよ。

もうひとりは私と同じ村に住むフランス人女性。彼女が飼っているのはベルギー牧羊犬だそうだが、うちの仔たちの掛かっている獣医に変えようかと思っているが、信頼できるかとの問い合わせ。常々スペインのペット事情を憂いていたけど、自分と同じコンセプトで犬と暮らしている人がいる、しかも同じ村に、という事でHPのファンだと言う嬉しい電話。いかにも本文全般を読んでいないと解らないエピソードまで知っていて、なんだか面映ゆい事ではありましたが。

う〜ん、たかが犬なんですがね、されど犬なんですよねぇ…。

| るな | ダルメシアン | 07:44 | comments(1) | trackbacks(0) | -
ダル集合
第2回のクラブ大会が、まぁ、無事に終了。今回は一切企画などに参加せず、諸々の事情もあって参加自体も保留状態だったのだが、クラブの仲間たちから励ましの連絡があり、参加を決意。今年は息子がバルセロナにいるので、フォローを頼む事に。

思えば昨年はクラブ大会の立ち上げから打ち上げまで、全企画を請け負い、これが自分の最後のご奉公と言う感じで臨んだ訳だが、そういう意味では今年は気楽なものである。が、やはり…。

ジャッジ開始のぎりぎりに何とか会場に到着してみれば、オーガナイズをやっているはずの新事務局長がいない。会長もいない。既に会員はぞろぞろと来ており、一体全体本当にここでやるの? という不安げな顔。椅子と机がいくつかどんと置いてあるだけ。事務局長にも会長にも連絡がつかない中、仕方ないから陣頭指揮を執るはめに。

リンクを作り、机や椅子を取りあえず配置するも、肝心の会長がジャッジを連れて来なければ、事務局長が参加者リストを持って来なければ、な〜んにも始まらない。これがスペインと言えばお終いだが、それで済むと思っているスペイン人が、無性にムカつく時もある。最も一番ムカつくのは、自らは何にもやろうとしない癖に、人より偉そうな立場にいるかの如く文句ばかり言う輩だが。あぁ、いかんいかん。そんなストレスから離れる為に、ボランティアに夢中になってというヤジから逃れる為に、一線を退いたのであったわい。

結局ほぼ2時間近い遅れの下、クラブ大会は始まったのだが、仕切るべき人たちが仕切れないものだから、取り留めなくまとまりのない終わり方ではあった。やれやれ。

Club Dalmatian


ま、それはさておき、「ベルはどの子?」とダルの子犬を連れている女性から声を掛けられた。実は私のダルのHPスペイン版のファンなのだそうで、私のHPからクラブの存在を知り参加したとのこと。ベルに会えるのを楽しみにやって来たという、ありがた〜い女性。地方の大会に行くと「この仔たちがBosque de Sant Cugatなの?」と声を掛けてくれる人たちがいる。犬の取り持つ縁は深く、心を開けば距離はない。嬉しい一瞬である。
| るな | ダルメシアン | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | -
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