風の色、海の色、バルセロナ色

バルセロナからの気ままな風。
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犬連れバカンス その5
旅の終わりはル・コルビジェのユニテ。やっぱり建築で終わる。我が家らしいと言えば、これほど我が家らしい旅はないのかも知れない。マルセーユは21年振り。あの時もユニテだけを見に来た。今回も同じ。あの時もヴィオレ・ル・デュクのカルカソンヌ修復とコルビジェのユニテの旅だった。今回はルドゥーとコルビジェ。



少し約束の時間に遅れそうだと、息子の携帯に何度掛けても繋がらない。車から降ろした場所はちょうど市が立っており、黒い肌の人たちがいっぱいいた界隈とあって、「身ぐるみ剥がれたんじゃないか」と夫が言い出す始末。いや、それはないんじゃないの。しかし焦れば焦るほど道に迷い、一体ここは何処よ? という外れに来て、やっとガソリンスタンドで道を尋ねる。オニーサンが親切に教えてくれた標を頼りに、またひたすら市内に戻る。遅れること1時間半、ユニテ前のベンチに佇む息子の姿が目に入り、「いた!」

どうも彼の携帯は電波が届かないらしい。ま、いいけど、いたから。「屋上でゴロゴロしてたんだ。一人で見て良かったよ。やっぱり初見は大事」と満足そう。ユニテ内の家具屋さんにダルが店番してたとか。見たかったなぁ。



昔見た時よりもユニテは美しく感じた。補修を繰り返しながら大事に使っているというのが伝わってくる。天井が低いなぁと言う印象が強かったのだが、確かに3階部分の中央廊下は暗く圧迫感を感じるけれど、意外や側面の廊下は外光がふんだんに取り入れられ、明るく伸びやかな空間になっていた。この照明のエスカルゴ的曲線も好き。



しかしこの集合住宅方式というのが「輝く都市」のあり方なのかは、私には解らない。中空に浮かした船の様な、空中楼閣のようなあり方。中にはメゾネット式住居やホテル、そして3階に商店街やオフィス、屋上庭園には幼稚園。ひとつの島の様な考え方だが、ここですべてが収まりきる訳がない。私なんぞは都市からの避難場所なのが、人の暮らすスペースなんではないかと思うが。昔も感じたけれど、やはり3階の商店街スペースは暗くて、大規模ショッピングセンターにしてやられた日本の裏ぶれた商店街みたい。コルビジェ目当てでやってくる建築関係者で成り立っているかのようなホテルや本屋。唯一フツーのお店はパン屋だけだが、あまり日常生活の香りはしない。開かれたようでいて、その実、外に向かって閉鎖的な空間なのかも。室内空間を見てみたいならここのホテルに泊まんなさいよ、というのも小利口なやり方。カフェテラスすら宿泊客でないと入れない、っていうのもなぁ。

夕日が沈む屋上で海風に吹かれながら、旅の終わりを噛みしめる。ここが幼稚園として使われ、子供たちの歓声が溢れているのを見てみたいものだ。のんびりと青い空を見ていた息子の足。マツものんびりと屋上庭園をお散歩。



最後にモデュロールと一緒に記念写真を撮ってもらう事にした。息子は彼の希望でこの姿勢。そして私は、相変わらず建築物の添え物です。もうっ、建築家って好かん!





これから一気にバルセロナまで走る。約350キロ余り。走行約4000キロの旅ももうすぐお終い。しかし、夫の体力回復は目覚ましく、今回の如き強行軍を貫徹できるとは喜ばしい事だ。さぁ、明日はベルとランを迎えに行ってやらねば。いじけてるんだろうなぁ…。
| るな | 旅にしあれば | 13:14 | comments(0) | trackbacks(0) | -









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