風の色、海の色、バルセロナ色

バルセロナからの気ままな風。
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秋深まる


今年の秋は特に身に染む気がする。老犬介護が始まったのだ。この夏の厳しい暑さからか、かなり衰えを見せ始めてきていたオスが、とうとう自力で立つことが出来なくなった。ハーネスで胴と腰を支えてやらねばならず、病み衰えてきたとはいえ30キロはまだある大型犬となると、なかなかに容易なことではない。朝一番の、まだ自分の体が思うに任せないというのに、これはかなりな肉体労働である。日に三回、身体全体を支えながら、台車に載せて外へ連れ出してやっているが、時間のやりくりに追われる日々だ。

だんだん弱っていく老犬の介護の話をすると、スペイン人の犬友の多くが、苦しみを長引かせるべきではないと安楽死を勧める。もちろん、我々もそう考えている。犬が痛みに苦しんでいるなら、そしてもう回復の見込みがないのなら、安楽死を選択すべきだと。だが、我が家の老犬は自力で歩けなくなっているにもかかわらず、散歩に行く事を待っているし、食欲もある。もう目もほとんど見えず、耳も遠くなっているが、私の姿を探すし、撫でてやれば目を細める。まだ時期ではない、と思う。



あんなに活力に溢れていた犬が、老いて行く姿を見るのは哀しい。大型犬の12歳といえば、人間の85歳辺り。秋も終焉だ。到底この冬は越せまいと思いつつ見ているのも辛い。だが、いま安楽死を選べば、悔いが残るのでないかという思いに疼かされる。そして安楽死を勧める根底にあるのは、人間の生活に負担が掛かり過ぎるべきではない、という考えなのだろうと思う。そういう見切ることの勁さを感じるが、日本人とは死生観が違うのかもしれない。輪廻も復活も信じてはいないが、あってもかまわないとも思う。

朝の森は靄に包まれている。死んだらこんなふうに温かな靄となって、木漏れ日とひととき戯れ、やがて霧散していくのが良いなぁ。我が家の犬たちの遺灰は森に還すことにしている。毎日、生を謳歌した森に還るのだ。
| るな | 雑記 | 02:50 | comments(0) | trackbacks(0) | -









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